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小学生の平均勉強時間はどれくらい?効率の良い勉強法と親が注意すべき点を解説

学校から帰ってきたら、ゲームやテレビを見ているだけで、勉強しなくて困っている親御さんもいるのではないでしょうか。

学習能力を高めるために、自宅での勉強習慣はつけたいものですが、子どもが勉強しないと困る家庭もあります。

子どもにやる気を出させるには、平均的な学習時間を親が把握しておくことが大切です。

本記事では、小学生の平均学習時間はどれくらいなのか、効率的に勉強をすすめる方法について解説します。

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小学生の勉強時間はどれくらい?

小学生の勉強時間はどれくらい?

勉強は、時間より内容が大切なのは分かっていても、学習時間が短いと気になってしまいます。

どれくらいの時間を勉強に使えば、学校で学んだ事が身につくのでしょうか。

こちらでは、小学生の勉強時間について解説していきます。

平日の学校外の平均勉強時間は約1時間30分

2001年に前遠山大臣が「学びのすすめ」のアピールで「学習指導要領まで到達できない子については補充指導をしましょう」という方向性にしました。

そのために各学年では、すべての生徒がある基準まで到達しなければ、宿題もしくは補習が必要であると考え始めたのです。

これにより、毎日の宿題量が増え、望む望まないにかかわらず家庭学習の時間を持つようになっています。

では、どれだけの時間勉強しているかというと30分から1時間30分に集中しており、平均時間は約1時間30分となりました。

多くの小学校では「学年×10分」の家庭学習を推奨しています。

なぜなら、小学生には「毎日継続して続ける」がもっとも難しいからです。

学年が上がると集中力も高まり、4年生あたりから「学年×15分」を目安に学習時間を増やしていきましょう。

勉強時間(2015年) 該当者(%)
ほとんどしない 4.0
およそ30分 12.8
1時間 27.7
1時間30分 19.5
2時間 14.1
2時間30分 14.1
3時間 6.2
3時間30分 4.9
それ以上 3.2
無回答・不明 6.1

参考:ベネッセ「第5回学習基本調査」データブック

うち宿題の時間は約50分

全体の7割近くが、30分から1時間を宿題に使っている傾向があり、平均時間は50分でした。

宿題は、学校で学んだ内容を反復して、次回の授業内容を把握するために必要とされてきました。

記憶を定着させるには有効な方法ですが「やらされている」感も強く、思うように進められない子どもが多いのも事実です。

宿題については、地域や学校の考え方や担任の指導によって量が異なりますし、子どもの理解力によっては時間もかかります。

3年生以上になると、宿題の科目が増えていきますので勉強量が増え、宿題を含めて自宅学習意識が高くなります。

高学年になると、中学受験を視野に入れた「自主学習」が課題としてだされるため、家庭学習時間が長くなるようです。

宿題の時間(2015年) 該当者(%)
ほとんどしない 2.3
15分 10.5
30分 26.0
45分 18.3
1時間 26.1
1時間30分 10.0
2時間 3.5
それ以上 1.7
無回答・不明 1.6

参考:ベネッセ「第5回学習基本調査」データブック

小学生の勉強時間は増加傾向

小学生の勉強時間は増加傾向

小学生の勉強時間が増加傾向にあるのは、宿題量が増えていることにも起因しています。

基礎知識と反復を習慣化を行えば、自宅学習への流れができてきたと考えていいでしょう。

平日の学校外の学習時間差が最大約24分

学力向上を強く求められるようになった2000年代以降、全国学力・学習状況調査で自治体の順位が比べられました。

学校外で学力を高める方法としては、宿題を増やし家庭での学習を定着させることです。

ドリルなどを使って学習量を増やす方法もありますが、これでは机に向かって自分で勉強できない小学生には無理があります。

勉強方法がわからない、何をすればいいのか判断できないと、勉強をしなくなる子どもが増えてしまいます。

主体性が強く求められる現代では、宿題として課さないと勉強をしない現状に批判的な声もあるでしょう。

しかし、学習意欲を向上させるためにも、宿題は有効な勉強方法であると考えられるでしょう。

全体的に見ると「ほとんどしない」「およそ30分」は減少傾向にあり、「1時間」「1時間30分」の勉強をする小学生が増えています。

2001年と2015年の平均学習時間を比較すると、約24分学習時間が増えていて、宿題の効果が現れます。

(%) 1990 1996 2001 2006 2015
ほとんどしない 7.7 7.8 10.4 8.3 4.0
およそ30分 20.8 24.0 29.9 24.8 12.8
1時間 24.0 25.3 23.5 25.7 27.7
1時間30分 15.7 15.2 13.8 13.7 19.5
2時間30分 6.3 5.3 3.9 5.9 6.2
3時間 4.9 3.6 3.7 3.9 4.9
3時間30分 2.5 1.7 1.9 2.4 3.2
それ以上 6.2 4.1 4.0 6.3 6.1
平均学習時間(分) 87.2分 77.9分 71.5分 81.5分 95.8分

参考:ベネッセ「第5回学習基本調査」データブック

うち宿題の時間差は約13分

平日の学校外の学習時間(小学生・中学生)、2006年と2015年を比較しています。

2006年では、宿題に使う時間は「15分から30分」が全体の半数以上でした。

ところが、2015年を見てみると「15分」と答えた子どもが1割程度になり「1時間」と答えた割合が26.1%にまで増えています。

単純に考えれば、宿題の量が増えたことで否応なく学習時間が伸びているように思えるでしょう。

ところが、宿題の時間差はそこまで大きくなく約13分となっています。

毎日の学習時間によって勉強のリズムが整い、効率的に宿題を進められます。

2006年 2015年
ほとんどしない 4.1 2.3
15分 23.3 10.5
30分 35.9 26.0
45分 15.6 18.3
1時間 13.9 26.1
1時間30分 3.6 10.0
2時間 1.3 3.5
それ以上 1.0 1.7
平均学習時間 36.4 49,8

参考:ベネッセ「第5回学習基本調査」データブック

小学生の勉強時間の中で宿題が5割前後を占めている

小学生の勉強時間の中で宿題が5割前後を占めている

小学生の自宅学習を占める5割以上が、宿題であることがわかります。

自治体によって、教育に対する考えが異なることから、宿題の量にも差がでています。

週4日以上は宿題が出ているので、ほぼ毎日プリントやワークなどの課題が出されていました。

さらに着目すべきは「小中学生に自学ノートが広がっている」ことです。

今までの宿題は「学校からやらされるもの」でした。

自主ノートを使い「自分が好きなこと」「興味があること」も勉強してもいいのだと教えることが重要なのです。

子どもの好奇心を伸ばせば、自主性の目覚めや発達につながります。

「勉強は押し付けられるもの」ではなく、自発的に発見していくものだと理解させてくれるのが自主ノートです。

2015年調べ 学習時間全体(分) うち宿題時間(分) 宿題時間の割合(%)
全体 95.8 49.8 52.0
大都市 105.3 42.6 40.5
地方都市 92.2 52.2 56.6
郡部 84.1 58.9 70.0

参考:ベネッセ「第5回学習基本調査」データブック

小学生の勉強意欲は中学生や高校生より高い

小学生の勉強意欲は中学生や高校生より高い

子どもの学習意欲の源は、目標実現・自己向上心・賞罰・親の期待に支えられています。

これらは成長とともに変化し、学年が上がるごとに低下していく傾向にあります。

どのような行動が、勉強意欲につながっているのかを見ていきましょう。

家での学習をまじめに取り組んでいる

学習への取り組み方を見てみると、圧倒的に小学生が真面目に取り組んでいることがわかります。

低学年は親にほめられることが、勉強のやる気につながります。

「叱られたくない」という気持ちもありますが、どんな子どもでも、ほめられるとまじめに取り組みます。

何がうれしくてやる気に直結するかは、それぞれの性格にもよりますが「努力をする姿」をほめてあげるのが一番のご褒美です。

丸が少なくても、テストの点数が良くなくても、一生懸命取り組んだことをほめれば心が落ち着いて勉強意欲が強くなります。

高学年になると「親の期待に応えたい」気持ちが強くなっていきます。

だからといって「いい大学に入りなさい」や「一流企業に就職しろ」などは逆効果です。

子どもには夢があり「親はそれを理解し応援してくれる」と信じています。

それを「現実的ではない」と切り捨ててしまうと、学習意欲が急激に衰えて勉強しなくなります。

ここで大切なのは結果よりも、努力に対する評価を高くすることです。

向上心を失わせないためにも、一生懸命にやる姿をほめて、子どもの目線で考えることが大切なのです。

項目(2015年) 小学生 中学生 高校生
家族に言われなくても自分から進んで勉強する 83.8 73.5 78.1
机に向かったら、すぐに勉強にとりかかる 75.7 63.0 55.7
計画を立てて勉強する 73.5 61.2 52.9
予習をしてから授業を受ける 64.4 48.1 59.1
授業で習ったことはその日のうちに復習する 65.5 57.0 38.2
テストで間違えた問題をやり直す 86.4 76.0 65.0
授業で習ったことを、自分でもっと詳しく調べる 72.8 58.0 44.0
自分で興味を持ったことを、学校の勉強に関係なく調べる 73.2 73.0 74.7
「勉強は学校だけですればいい」と思う 22.7 39.8 34.5

参考:ベネッセ「第5回学習基本調査」データブック

本やニュースなどを日ごろから読んでいる

子どもの読書離れが問題になっていますが、小学生では半数以上の子どもが、なにかしらの読み物に触れていました。

文学作品や小説・物語を読むが7割以上と、中高生と比較すると多い傾向にあります。

小学生向けの小説や物語は、イラストなども入って読みやすく、わかりやすくなっているのも継続できるポイントです。

特に読書感想文は、本を何冊も読んでいる小学生ほど、内容が具体的でわかりやすい特徴があります。

アウトプットをするには、本やニュースを読むことが大切であると言えます。

普段から、自分で読みたい本を探す習慣を付けておけば、自然となじんでいくでしょう。

ニュースは、こども新聞を利用すれば、世の中で起こっている出来事を深く知ることができます。

きっかけはテレビのニュースでも構いませんし、親からの問いかけでも構いません。

普段から本やニュースに触れられる環境を作っておけば、どんどん本が好きになり、読まなかったジャンルにも挑戦できます。

項目(2015年) 小学生 中学生 高校生
歴史小説や歴史の本を読む 55.6 36.2 24.9
文学作品や小説・物語を読む 76.1 61.3 54.2
自然や動物・植物の本を読む 57.2 26.3 15.2
新聞のニュース欄を読む 41.5 33.3 33.5

参考:ベネッセ「第5回学習基本調査」データブック

小学生の効率の良い勉強法

小学生の効率の良い勉強法

スポーツクラブや塾に通いながら、学習を定着させるには、効率的に勉強しなければいけません。

ちょっとしたコツがあれば、大切な時間を有効に使って勉強できますので、各家庭でチャレンジしてください。

ICTメディアを活用する

現代の学習スタイルに、メディアの力は欠かせません。

すでに、タブレット端末を使った授業も行われていて、小学生の55.5%がICTメディアを利用したことがあると答えています。

情報収集はもちろんですが、分からないことを調べる辞書ツールや、記録をして振り返りができるメリットがあります。

小学生の場合には、わからない問題を友達同士で話し合ったり、解読していくために利用することが多いでしょう。

宿題以外の自宅学習もタブレットを使えば「時間のある時に進められる」「学習の進み具合が記録できる」というメリットがあります。

ICTメディアの利用を、良く思わない親御さんもいますが、安全に使える環境つくりをすることで頼りすぎず効率的に勉強を進められます。

親も一緒に勉強に参加する

勉強が好きで仕方がない子どもは少ないですし、友達と遊んだりゲームをしたりするほうが楽しいです。

それでも親には嫌われたくない・好きでいてほしい気持ちは強いので「一緒に勉強しょう!」と声をかけましょう。

普段は忙しい親であればなおのこと、一緒に過せる時間は子どもには宝物です。

親も「難読漢字の練習をする」「文字をきれいに書く練習をする」など、態度で示すと自然と机に向かってくれます。

子どもだけに押し付けない、一緒にやる姿勢を大切にしましょう。

読み書き計算に専念する

本を読んで理解する「読解力」と「計算」は勉強の基礎であり、低学年でつまずいてしまうと、中学校や高校などの勉強についていけません。

どうしても「親が教えやすいもの」に力を入れてしまいますが、読み書き計算はバランスよく勉強して偏りをなくしましょう。

読み書きは、反復練習と音読がおすすめです。

読解問題は、主人公の気持ちになって「どうしてそうなったのか」「どうすればいいのか」を考えさせます。

読めない漢字は「辞書を引こうね」と声掛けするようにしてみてください。

計算は反復ですが、わからないまま勉強を進めてしまうと算数自体が嫌いになってしまいます。

九九の繰り上がり・繰り下がりの仕組みをしっかり理解できるように導いてあげてください。

小学生が勉強するときに親が気を付けること

小学生が勉強するときに親が気を付けること

子どもが自主的に勉強するようになるには、親の働きかけがターニングポイントです。

難しく考えることはなく、自分が子どもだったら「親に言われて、されて嫌なこと」「嬉しいこと」を思い出してみましょう。

叱らない

子どもにも、気持ちを切り替えるタイミングがあります。

「これをやったら勉強しょう」と決めているのに「まだ勉強しないの?」「早くやりなさい!」と言われたらどうでしょう。

叱っているつもりはないかもしれませんが、子どもは叱られたと思ってしまいます。

また、失敗したり、わからずに手が止まると「何でわからないの!」という親御さんもいるかもしれません。

わからないところが、わからなくなっているのですから、これではやる気どころか怯えてしまい勉強どころではなくなります。

小学生が勉強している時には、叱らないように注意してください。

年齢に合わせたアプローチをする

勉強を習慣にするには、年齢に応じたアプローチが必要です。

無理やり頭に詰め込んだところで、理解ができなければ知識が定着せずに、どんどんわからなくなっていきます。

低学年は、勉強と遊びの切り替えができるような、リズム作りから始めましょう。

中学年になると、中だるみも見られてきますし、集中力が持続しません。

勉強は楽しいものであると理解してもらえるように、親が一緒に勉強する時間を作ります。

高学年になると、新しいことを勉強するのではなく「復習による定着」が中心です。

わからないことは、過去のワークなどを見直して反復する取り組みで力をつけていきます。

口出しをしすぎない

ほめることは大切ですが、黙って見守る時には静かに勉強させてあげましょう。

勉強の途中でマンガを読みだしたり、ゲームを始めるとついつい口出ししたくなるものです。

小学生の集中力は大人より短いので、気持ちがそれてしまうこともあるでしょう。

口出しされると、反発心が生まれ「切り替えてやろうとしていた気持ち」が失われてしまいます。

余計な口出しはせずに「ちょっと休憩しようか」など声掛けの程度にしておきましょう。

強制的に押し付けない

大人でも、なにかを強制されるのは苦痛でしかありません。

勉強を強制してしまうと「つらい」「嫌だ」の気持ちが大きくなってしまい、学習することが嫌いになってしまいます。

本人のやる気が削がれてしまうと、回復するのに時間がかかり、勉強がどんどん遅れていきます。

結果的に「何でやらないの」「できないの」とりつける事になるなど悪循環でしかありません。

勉強することで、得るものがあるとわかれば、自然と机に向かいます。

集中して勉強できる環境を整える

小学生の集中力は長く続きませんので、勉強しやすい環境作りが大切です。

自分の部屋の方が落ち着くのであれば、テレビやゲーム機などはリビングに置いて目に入らないようにすると良いでしょう。

リビングで勉強するのが良いのであれば、テレビは付けない、ゲーム機は目につかないように隠します。

また親も、子どもの勉強中はスマホやタブレットを使用しないなど、ルールを決めておきましょう。

集中できる環境作りは親の仕事です。

自分はスマホを触っていいけれど、子どもはダメというのは都合が良すぎです。

目的意識を持たせる

長い時間机に向かって勉強していても、集中できずに「なんとなく」やっているようでは知識が定着しません。

宿題以外の勉強も毎日できればいいのですが、遊び盛りの小学生に受験生のようなタイムスケジュールを組んでもうまくはいかないでしょう。

習い事をしている場合、宿題だけで1日が終わってしまい、自宅学習まで進まないこともあります。

そんな時には「今週は〇を〇ページまで頑張る」や「○○の復習を〇までに終わらせる」など目的を持った勉強方法を提案しましょう。

これは親が決めるのではなく、子どもの自主性に任せるのが大切です。

まとめ

まとめ

小学生のやる気を引き出し、自宅学習を定着させるには、親が子どもに寄り添ってサポートすることが大切です。

ですが、仕事を持ちながら子どもの勉強を見てサポートするのは簡単にできることではありません。

そんな時には、勉強のプロフェッショナルのサポートを受けてはいかがでしょうか。

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