高校の推薦入試を受ける際に、推薦を希望する理由の書き方がわからず、頭を悩ませている中学生もいるでしょう。
「どのような理由を書いたらいいかわからない」「何をどう書けばいいのだろう」と最初につまずく受験生も多いのではないでしょうか。
この記事では、志望理由の具体的な書き方や、おさえておきたいポイントを紹介します。
希望する理由に合わせた例文も紹介しているので、志望理由書を書くときの参考にしてください。
推薦を希望する理由の書き方
志望理由書の書き方には、ある程度決まったパターンがあります。
基本をつかめば悩まずに書き進められるため、難しく考える必要はありません。
文章の構成と書き方のルールを把握して、自分の書きたい内容をあてはめていくと書きやすいでしょう。
文章の構成~書く順番
書き始めと書き終わりの文章には、定型文があるので参考にしてください。
書き始めは、「貴校を志望した理由は」として、志望理由を最初にもってくるのがおすすめです。
結論を先に述べたあとに理由を述べる構成にすると書きやすく、読み手にも伝わりやすい文章になります。
内容には、入学後に志望校で学びたいことや将来像を入れましょう。
志望校ならではの特色と、自分のアピールポイントを交えて書くと説得力があります。
終わりの文章は「以上の理由から貴校を志望します」が適切です。
志望理由書の書き方のルール
志望理由書を書くときに、話し言葉を使うと減点されます。
例えば、「ちゃんと」や「いつも」は話し言葉です。
書き言葉になおして、「きちんと」や「常に」を使いましょう。
志望校は「貴校」、在学中の中学校は「本校」と書くのが正しい使い方です。
文末は「ですます調」か「である調」のどちらかに統一してください。
文末に「ます」を連続で使用するなど、同じ文末表現が何度も続くとリズムが悪くなり、読みにくい文章になります。
指定文字数は400字〜800字程度が一般的で、少なくても違反にはなりませんが、8割〜9割は埋めるようにしましょう。
志望理由書の書き方のポイント
思いつくままに理由を並べただけでは、内容が浅くなり、印象に残りにくくなるため工夫が必要です。
内容を広げて、読み手に自分の熱意を十分に伝えるポイントを紹介します。
志望理由を絞る
文字数や記入欄に制限があるため、理由をいくつも挙げると根拠や具体例を詳しく書けず、内容が浅くなってしまいます。
志望理由が複数あっても、1つか2つに絞りましょう。
理由を絞って、具体的な数値や体験を交えながら自分の言葉で詳しく書けば、熱意も伝わり説得力のある文章になります。
志望校にしかない魅力を挙げる
他の高校にはない魅力を挙げると、志望校を選んだ理由として有効的です。
志望校が力を入れているポイントは、オープンスクールで紹介されていたりパンフレットに記載されていたりするため、チェックしておきましょう。
学校のアピールポイントをサポートする取り組みがおこなわれている場合は、取りあげて魅力を述べると説得力が増します。
表面的な事実だけを挙げるのではなく、自分の志望動機と具体的に結びつけて、理由にするのがポイントです。
具体的な根拠やエピソードを書く
志望理由を書く際には、これまでの体験や志望校を選んだエピソードを、具体的に書くのがポイントです。
進学率を理由にする場合は、学校が公表している進学率の実績データを挙げると説得力が増します。
自分の過去の実績や、オープンスクールでの体験など、自分が実際におこなったり思ったりした事実を加えると伝わりやすいでしょう。
自分のアピールポイントを盛り込んで、他者との差別化を図る必要があります。
嘘は書かない
合格したい気持ちが先走ると、自分の本心ではない希望や、ありもしない実績を書きたくなる場合もあるでしょう。
嘘の理由を書くと、上辺だけの実感をともなわない説明になりがちです。
ある程度、誇張した表現になるのはかまいませんが、嘘を書いてはいけません。
面接で深く質問される可能性もあるため、本心からの理由を書きましょう。
本音が前向きな理由でなく書きにくい場合でも、将来の目標とからめれば前向きな印象を与えられます。
志望理由別の例文とアピールポイント
書き方や内容のポイントをつかんだところで、志望理由別の例文を紹介します。
校風や部活動・進学実績などの志望校の特徴や、自分の将来の夢ややりたいことなど、自分の理由に合わせて参考にしてください。
あくまでも一例として、実際に書くときには内容を絞り、自分の言葉で気持ちを表現するのが大切です。
校風や指導方針が理由の例文
学校説明会での様子や、カリキュラムに魅力を感じた場合の例文を紹介します。
志望校が力をいれている指導方針などに魅力を感じている点をアピールしましょう。
貴校を志望した理由は、何事にも積極的に取り組み、充実した高校生活を送りたいと思ったからです。
私がオープンスクールや学校説明会に参加させていただいたときに、活気にあふれて魅力的な先輩方の様子が印象に残りました。
私は英語が好きで、外国の文化や人々との交流にも興味があります。
説明会で貴校には海外に姉妹校があり、短期留学の制度もあると伺いました。
英語を活用できて、異なる文化体験の機会もある貴校で、ぜひ学びたいと思い志望いたしました。
部活動が理由の例文
中学時代に頑張った部活の内容や大会成績を残した場合の例文を紹介します。
将来の活躍につながる点や在校生によいイメージを持っている点をアピールしましょう。
貴校を志望した理由は、部活動が盛んで、バレーボールの強豪校だからです。
部活動に体験参加した際に、先輩方のやる気やレベルが高いのに驚き、この高校に入りたいと決心しました。
貴校で技術を磨き、先輩方と一緒にレベルの高い練習に励み、さらに成長したいです。
中学校時代には全国大会に出場した経験があり、高校でも続けてインターハイを目指したいとの決意から志望いたしました。
将来の夢が理由の例文
将来なりたい職業や、やりたいことをかなえるために選んだ場合の例文を紹介します。
志望校への進学が、夢の実現につながる点をアピールしましょう。
貴校を志望した理由は、将来、保育士になりたいからです。
貴校には保育科があり、保育士養成課程のある大学への進学実績が80%と高い点に魅力を感じました。
提携する保育園での実習や、専門的なカリキュラムにも、強い関心を持っています。
実技だけではなく、法律や制度の仕組みまで学べると伺って、ぜひ貴校で学びたいと思い志望いたしました。
大学進学が理由の例文
大学の進学実績に魅力を感じている場合の例文を紹介します。
実際の進学実績の数字をあげて、大学に進んだら学びたいことも含めてアピールしましょう。
貴校を志望した理由は、希望する大学に本気で進学したいからです。
貴校の進学実績から、有名な大学の合格者が〇名もいる点に魅力を感じています。
学校説明会やホームページの情報から、授業や授業以外での学習指導が、生徒のやる気に応える形式で徹底されていると知りました。
先生方の熱心さや、先輩方の学習に対する姿勢に、自分もこの環境なら希望する大学に合格できるのではないかと決意を固めています。
環境に頼るだけでなく、自分でも宿題以外に毎日勉強をして、さらに上を目指したいと思い志望いたしました。
推薦を希望する理由はどうやって決める?
自分ならではの志望理由が思いつかない場合にはどうしたらよいのでしょうか。
まず、志望校の概要や特徴をよく調べる必要があります。
志望校を知ったうえで、自分を深く見つめ直す作業をしましょう。
両者を深掘りした内容から、学校が求める生徒像と自分の将来像の共通点を探すと、理由を見つけられます。
志望校をよく調べる
志望校がどのような生徒を求めているかを知るのは、理由を決めるうえで重要です。
学校のホームページやパンフレットを見ると、学校の教育理念、進学実績や部活動の成績などさまざまな情報がわかります。
指導内容や部活・行事にどのような特徴があり、どのような生徒が在籍しているのかなどの情報から、求められる生徒像を調べましょう。
パンフレットには、学校側がアピールしたい内容や数字が記載されているため、チェックが必要です。
オープンスクールや学校説明会に参加すれば、校内の様子や通っている生徒の雰囲気を確認できます。
同時に、自分と同じ立場の中学生の様子もわかるので、彼らとの比較からも自分が志望校に合う生徒なのか判断できるでしょう。
さまざまな角度から自己分析をする
自分の短所や長所・これまでやってきたこと・趣味や特技・将来の夢などを把握する作業が必要です。
思いつくまま紙に書き出してみるのもよいでしょう。
短所と思えるところでも、見る角度を変えれば長所になります。
さまざまな角度から自分を見つめ直しましょう。
今の自分を深く細かいところまで自己分析しておくと、将来やりたいことや、さまざまな可能性が見えてきます。
将来なりたい職業や進みたい大学など、目指す道につながる場所が志望校です。
志望校に入ってやりたいことが見つかれば、十分な志望理由になります。
アピールポイントを探す
前提として、志望校が希望する生徒かどうかが評価の基準となる点を押さえておきましょう。
華々しい実績やしっかりとした将来の夢があっても、志望校に関係がなければアピールポイントにはなりません。
志望校の特徴をつかんだうえで自分の希望や長所と結びつけて、何を学び、どのような自分になりたいのかをアピールできる理由を探しましょう。
重要なのは、誰にでも通用する理由ではなく、自分自身とだけ一致する理由を見つけることです。
志望理由を決める際には、他の学校にはなく志望校にだけある特徴と、自分が学びたい内容を結びつける必要があります。
志望理由書を書く前に必要なこと
志望理由書を書く前に、オープンスクールや学校説明会に参加しておくのが重要です。
ホームページを活用して、あらかじめ日程を調べたり、パンフレットを取り寄せたりなどの準備をしておきましょう。
進学実績や、部活動・課外活動の実績をはじめ、校内の雰囲気や学校までの通学手段・周囲の環境などの情報が得られます。
参加の有無が選考基準になっている場合もあるため、関心のある学校のオープンスクールにはできるだけ参加しておきましょう。
提出書類は事前に調べ、2ヵ月〜3ヵ月前から準備しておくと安心です。
実際に書いてみよう!
志望理由書は事前に配布されている場合がほとんどで、コピーをすれば何度でも清書できます。
書く内容が決まったら、用紙をコピーして実際に下書きを書いてみましょう。
読みやすくするために記入する際の注意点と、書き終えてからも、よりよい志望理由書にするのに必要な手順を紹介します。
字の書き方と記入欄のバランスに気をつけよう
第三者が読みやすいように、文字は丁寧に書き、中学生にふさわしい漢字を使って誤字・脱字がないように気をつけましょう。
大きすぎる字は幼稚なイメージを抱かれやすく、小さすぎる字は読みにくいため、適切な大きさになるように配慮が必要です。
字数が守られていても、記入欄に余白があると熱意が薄いと判断される可能性があります。
なるべく余白を作らず、最後の行まで埋めるように調整しましょう。
第三者にチェックしてもらおう
最後まで書けたら自分で読み直して、志望理由が明確に伝わる文章になっているか、誤字・脱字がないかの確認をします。
自分なりに完璧な状態に仕上げた段階で、学校の先生や保護者にチェックしてもらいましょう。
最近の傾向に詳しい塾の先生にチェックしてもらうのもおすすめです。
これまで多くの受験生の悩みを聞いてきた経験と実績から、的確なアドバイスがもらえるでしょう。
コピーをとっておこう
チェックを終えたあとに志望理由書に清書をしたら、提出する前にコピーをとっておきましょう。
面接がおこなわれる学校では、志望理由書をもとに質問されるのが一般的です。
口頭で答える際に、志望理由書の内容と不一致があったり、回答に詰まったりするようでは結果に響くおそれがあります。
面接にそなえて、記載した内容を確認するために、手元に残しておきましょう。
まとめ
推薦を希望する理由の書き方には、ある程度決まったパターンがあるので、自分の書きたい内容をあてはめると書きやすいでしょう。
志望校ならではの特徴と、自分のアピールポイントを結びつけると、自分にしかない志望理由が見つけられます。
紹介した例文を参考に、自分の言葉で志望校への熱意を伝えましょう。
実際に記入する際には、相手が読みやすいように字の書き方や配分に注意が必要です。
東大個人指導塾では志望理由書の書き方のアドバイスはもちろん、学習面でのサポートもしています。
受験に関する悩みや不安があれば、一度相談してみてください。